漢字―生い立ちとその背景 (岩波新書)



漢字―生い立ちとその背景 (岩波新書)
漢字―生い立ちとその背景 (岩波新書)

商品カテゴリ:人文,思想,学習,考え方
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漢字の成り立ちが面白い

漢字が如何にして生れ、またどのような呪的思想を持ち合わせていたのかがよくわかる。

ただし、本書は文中における漢字の引用が別ページの写真で何行目、何文字目という形で表記してあるが、この点が少々初学者にはわかりづらいと思われる。「漢字百話」のように同じページのすぐ上に記載してあるような方がわかりやすいので、初めて白川静に触れるには「漢字百話」や「白川静さんに学ぶ漢字は面白い」などがいいだろう。「常用字解」などを眺めてみてから、漢字に興味を持つのもいいかもしれない。

内容は大変面白いので評価5であるが、一般的に言うと少し読みづらい点があると思うので、それを差し引き4にする。
漢字についての著者の知見の一部を見ることができる

漢字の著作が豊富な白川静の知見の一部を見ることができる新書の一つ。
漢字への興味を持ってもらうのに適した一冊。

漢字は想像力の宝庫である

文明の真髄を語る本である。私たちが普段何気なく書き記している漢字は、現在、世界に生きている「文字」の中でも、特異な象形文字です。古代に於いて象形文字は最も最初に現れた文字の一つと言う事ができる、それは形という図形を基礎にして、そこに動きや視覚的経験の総体を導入した一種の絵で、その絵を基に偏や造りを配置・構成した形態に、意味を対応させた意味文字です。メソポタミアの楔形文字も相当に古い文字ですが、漢字とは、いささか方法を異にした音表文字であり、アルファベットは代表的な音表文字と言えるでしょう。

漢字は東洋の古代中国にその起源があり、それは、東アジアの文化に決定的な影響を及ぼしていて、日本の文化はこの漢字が無ければ、その存在は、随分今とは変化を余儀なくされた事と思われます。また江戸・明治に於いてさえ、漢籍の素読は精神の成長に基本的な基礎となった。漢詩も然り、短歌・俳句然り、漢語調はやがて言文一致体となり、現在の日本では、小説も評論も当世風と成った、が、それでも漢字が無かったら日本語の表現は、今より随分単調なものとなるのではと思います。でも今は、漢字より日本語より、英語が幅を聞かす時代だ、日本語の使い方が良く身に付かない内に、中途半端な英語を学ばせようとする時代です。勿論、英語が母国語と同じ様に読み書き話せれば、言うことは無いが、基礎は日本語(母国語)にあると思う、その上で他に外国語が2つくらい身に付けば理想ですが、中々その様にはいかないのが現実です。

白川先生は、漢字研究の大碩学で、それは甲骨文字の業績や、また「字統」や「字訓」などの素晴しい著書を、お書きになっていて、漢字の意味の解釈などは、思っても居ない意味世界が背景に在る事を教えて頂き、とても面白い。

この新書を読んで、何よりも漢字に対する目が広がった事を心から感謝したい。今の日本では、読む力、書く力も、話す力まで、随分痩せて来ているのではないか?子供達に本当に良いテキストを与えていないのではないか?教科書が薄過ぎます。今の五倍から十倍のページ数が在って好いのではないか?生徒が、全部授業で消化する必要はありません。各章の要点だけを授業として消化すれば好い、その他は、生徒が自主的に学ぶ副読本とすれば良い。子供が最初に知識の手引きとする物は教科書です、この内容の豊かさ、広さ、深さが、生徒の知識のレヴェルを規定している面がありますから。授業では生徒が自主的に知識を獲得するメソッドを基本的に習得させるべきです。

多くの象形文字は滅び去ったが、漢字はこれからも生きつづけられるか?先生はお書きになっている「民族とその言葉が滅びなくとも、文字はその文化の敗北によって滅びる」と!
白川漢字学の入門に

 確かにバンヴェニスト(『一般言語学の諸問題』とか『ヨーロッパ諸制度語彙』)は面白いが、実は最初そのエラさがよくわからなかった。白川静を読んで(バンヴェニストより前から読んでいたが、読み返して)、そのエラさがわかった。バンヴェニストは偉い。白川静はもっと偉い。

 おそらく競合品よりはいくらか安いためによく利用されているらしい学研の『漢和辞典』という事典があるが、これをつくった藤堂明保(東大教授)という中国文学研究者が、この『漢字』をめちゃくちゃ貶した書評を書いている。その貶し方というのが、「仮にも岩波新書で「カンジ」というタイトルの本を出すのに、こんなヤロウに書かせるなんて、編集者は何考えてるのだ」というものだった。こんな話があるから、「白川先生も、国立大学出てたら、今頃文化勲章なのに」というウワサも立つのだろう。東大のセンセイが「私大あがりがナマイキな、ちょっとだまってろ」という訳である。

 しかし、これ以上の話は無用だろう(別にどっちの肩を持ちたい訳ではないし)。なお、白川静が藤堂明保をこてんぱんにやっつける「書評の反論」が、『文字逍遥』(平凡社ライブラリ)に収録されている。
 
漢字を見る目がかわります!

「大鵬」はもともと台風現象のことだったとか、漢字の成り立ちそのものについてよくわかる。漢字再発見、という感じです。あわせて、少し値段が高いですが、字源辞典「字統」もお勧めです。



岩波書店
漢字百話 (中公新書 (500))
孔子伝 (中公文庫BIBLIO)
白川静の世界―漢字のものがたり (別冊太陽)
常用字解
中国の神話 (中公文庫BIBLIO)




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