アイゼンシュタインとクロネッカーによる楕円関数論 (シュプリンガー数学クラシックス)



アイゼンシュタインとクロネッカーによる楕円関数論 (シュプリンガー数学クラシックス)
アイゼンシュタインとクロネッカーによる楕円関数論 (シュプリンガー数学クラシックス)

商品カテゴリ:物理学,化学,数学,地学,科学,学習,知識
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ヴェイユならではの楕円関数論の好著

この本が書かれた経緯をヴェイユは「著作集自註」の中で詳しく述べている。クロネッカーと同じくヴェイユも68歳の時に、アイゼンシュタインが1847年に書いた楕円関数に関する大論文を発見した。その論文を研究する事で、その方法が「ダムレルの定理」への自然な導入になる事、またアイゼンシュタインの後を継ぐ形でクロネッカーが行った研究が「チャウラ-セルバーグの公式」に直接結びついている事を発見し、それらの方法をまとめて講義する事を決心したのだと。

先ず、第1部ではアイゼンシュタイン和に関する素晴らしい考察から、古典的な楕円関数の諸公式が鮮やかに導かれている。ここでのハイライトは「基本関係式と無限積」を論じている第4章にある。そこでは、諸公式の詳しい計算と式変形は殆ど省略されているため、読者は自ら手を動かして検証する必要がある。

次に、第2部ではクロネッカーの二重級数を主題として、「クロネッカーの極限公式」がヴェイユならではの絶妙な筆致で導かれている。ここでは、ポアソンの和公式の適用に際し変形ベッセル関数が現れる事やフルヴィッツζ関数に関する有名な「レルヒの公式」などを解説しながら、「クロネッカーの極限公式」(第8章の式16と17)に至る道筋が見事に描かれている。数式の検証を含めてここまで読み進まれた読者は、その構成の素晴らしさに感激を覚えられると思う。最後に、「チャウラ-セルバーグの公式」を含めて数論への応用が3つ紹介されているが、その説明が極めて自然なものに感じられるのも、この方法の素晴らしさの証しだと言えよう。

本書は数論と楕円関数論の神秘的ともいえる相互関係に興味をもつ全ての読者にお薦めできる好著である。





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