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大江戸曲者列伝―太平の巻 (新潮新書)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 115254 位
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野口先生の、どっか吹っ切れてる筆致がカ・イ・カ・ン!
週刊新潮03年6月26日号から2年以上、「OH! EDO物語」として連載された人物伝のうち、大体ペリー来航までの時代の45人をピックアップして収めたもの。ペリー以降は「幕末の巻」で、38人を取り上げている。著者はこの連載後も週刊新潮に「幕末バトル・ロワイヤル」を連載し、そこからすでに新潮新書2冊がまとめられているが、連載は現在も継続中。人気シリーズであることが伺える。
とにかく読んでいて肩が凝らず、しかし人物の簡潔な肖像を通じて確かに時代の断面が見えてくる気がする。また、端々から著者のかなり捻くれた人間観なんかも窺えて、楽しめる。
例えば本居宣長と上田秋成の日の神論争について、「良識と信念がぶつかった場合、良識の側が勝つことはまずない」(p83)とか(笑)。頼山陽が弟子の江馬細香と「愛人関係」を結んでいた話では、「細香は師に詩の添削を乞う。山陽もこまめに直しては、寸評を加えて返す。褒めるのがうまいのである。『大いにおもしろく愛吟手をおかず候』などといって嬉しがらせる。いつも褒めっぱなしではなく、時たまは『君の詩にしては今一息に候』という言い方をする。緩急自在の呼吸である。女性にもてるのはその辺にコツがある」(p145)なんて観察に感服。鳥居耀蔵の手先の立ち回りについては、「汚れ役はけっきょくダーティなことしかできず、処遇には常に不満を抱く人種なのである」(p210)とバッサリ。
現代との比較では、「決して笑い事ではない事態が次々発生していたが、困ったことには、江戸のノーテンキ人間にはさっぱり真面目に受け取れないのである。何もかも茶番に見えてしまうのだ。(中略)物みな笑いに終わる。爛熟度では昔の江戸なみの水準に達した東京文明も、遠からず笑いながら滅んでいく運命にあるのではあるまいか」(p158)、なんてネ。いや、ここは鼻先でフフンと笑うところじゃないですよ!
太平の世を感じることができるエッセイ
一遍一遍が短く、軽く読めるエッセイのような感じだが、タイトルにあるような江戸の「太平」の世の中の雰囲気は大いに感じることができる。
著者の文筆力ということだろう。
人物のチョイスは、「大食いで有名になった人」「浅野内匠頭を後ろから押さえつけた人」など、基本的にはマイナー系の人。
知らない人の知識を得るもよし、「この人知ってる!」と自分の知識の再確認をするもよし。
もっとも、みんながみんな「曲者」というわけではない。
楽天的な気持ちの調達に
著者が前書きに書いている、「歴史に正解はない」。この言葉の地盤の上に立てられた「ゴシップ史観」の前には、外交、政治の重大局面での幕閣の決断あるいは不決断も、学識と人格を兼ね備えた老学者の弟子を思う心も、「もう井伊大老に帽子は必要ないよね」とか歌っちゃう庶民の不謹慎さも、「昔のおはなし」としての価値は等価。「人間ってあんまり進歩しないんだよな、やっぱ!」とか「私たちの馬鹿げた毎日もいつか昔のおはなしになるんだし!」とか、読了後、しばらくは楽天的な気持ちになれます。読みやすくて、すぐに通読できるので、楽天的な気持ちを速攻で調達したいときにはお薦めです。
個人的には、新井白石に大変興味をひかれました。そのように、新たな興味の対象をみつける役にもたつかもしれません。
気分は 江戸随筆でしょうか?
生々しい江戸 というより御府内の状況を伝えてくれる
学者センセイというよりも 暇な文人の江戸随筆といった思いを
抱かせてくれます。
人物もさまざまな方を集めてくれました。
ただ 解説がもう少し親切だと よかったかもしれないし
田沼と 松平定信の見方には 異論があります。
新潮社
大江戸曲者列伝―幕末の巻 (新潮新書) 幕末バトル・ロワイヤル (新潮新書) 井伊直弼の首―幕末バトル・ロワイヤル (新潮新書) 幕末気分 (講談社文庫) 長州戦争―幕府瓦解への岐路 (中公新書)
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