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大江戸開府四百年事情 (講談社文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 223978 位
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「科学的」とはこういうことなんだなぁ
石川英輔さんの江戸論は明晰だから好きです。今回も、冒頭から言ってくれます。
「なぜ、徳川幕府という一つの政権がこれほど長続きしたか。その理由はただ一つしか考えられない。
政治の基本的な方向が正しかったからである。(原文黒ゴチ)」
こういう「言われてみれば当然のことだが、誰も今まで言わなかったこと」を言ってくださると、気持ちがいいです。別の「大江戸事情」シリーズで江戸時代の不定時法に従って暮らしてみる、という誠に実証的なことをされていますが、イデオロギーに曇らされていない自然科学者の目で江戸時代を眺めると、実にどっこい、そう悪い時代ではなかったというわけです。もちろん「人間の社会には地獄はあっても極楽があったためしはない」わけですから、江戸時代にだって悲惨も窮乏もあった。でも人民が革命を起こさなければならないほど追いつめられてもいなかった江戸という時代は、そこそこ「良い時代」であったのです。石川さんはもともと「亜空間不動産株式会社」などの名作を持つSF作家ですが、SFで鍛えられた「先入観に囚われずにものごとを見る」透徹した眼差しが、「大江戸」シリーズの魅力の基底をなしていると思われます。
目から鱗の歴史観
平安時代といえば全員貴族のような生活をしていた訳ではない。が、記録にないから貴族の生活が教科書に載る。
歴史となるためには「史料」が残っていなければならない。しかし記録に残されるものは「異常なこと」が多い。「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛めばニュースになる」という話と同様だ。そうした記録をもとに歴史を語れば「異常現象史」となる。
私自身、教科書で習った江戸時代は飢饉、一揆や打ち壊しが多発し、農民の生活は悲惨だったと理解していたが、確かに事実ではあるが、江戸時代全体からすれば「異常現象」に他ならない。
江戸時代は封建時代という教科書的な固定観念を払拭してくれた目から鱗の歴史観でした。
講談社
大江戸リサイクル事情 (講談社文庫) 大江戸庶民いろいろ事情 (講談社文庫) 大江戸生活事情 (講談社文庫) 大江戸えねるぎー事情 (講談社文庫) 大江戸仙境録 (講談社文庫)
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