ギリシア悲劇に着想を得て、ピエル・パオロ・パゾリーニが監督したエネルギッシュかつ幻想的な作品。本来自分のものであるはずのイオルコス王国を取り戻す条件として呈示された金毛羊皮を得るために、コルキス王国へと赴いた青年イアソン。そこで彼は毛皮とともに巫女のメディアをも手に入れる。やがてコルキス王国へと戻り、2人は共に暮らすこととなるが、王座を手に入れるために裏切ったイアソンを恨むメディアは恐ろしい行動に出る。 呪術的世界観を実に荒々しく迫力あふれる演出で描き、台詞や説明を極力排した圧倒的な映像をフィルムに焼き付けた傑作。毛皮を巡るイアソンの物語をハリウッド的解釈で描いた『アルゴ探険隊の大冒険』と比較してみるのも面白いだろう。(田中 元)
悪いけど・・
どなたも大絶賛の中・ 言いにくいのですがつまんなかったです。大好きなマリアカラスが出てるので即買いでしたが、彼女の(ちょっと年くってますが)美貌は堪能出来るものの、素晴らしい歌が聴ける訳じゃ無し・唯一占いかなんかのところで、うぎゃー!と叫んで下さるだけ。全体に土臭い映像でギリシャ神話と言うよりどこかの部族の話みたい。半身馬の神だって、昔の映画だから仕方ありませんが人間の足の関節くっきりでドリフのコントじゃないんだからさ。出演者の容姿もカラス以外は美しくない人ばかり。なんか神々しさすら漂ってません。あまりのつまらなさにうとうと寝ました。はっと目覚めるとラストシーン。カラスの顔がぎょっとする程恐ろしかったです。まるで般若。この人ってすごい顔するなーと。オペラとか見てみたかったな。しかしCDはともかくDVDはすごく少ないので、だからこそ期待しまくってこれを買ったのですが・・・
エディプス神話と並ぶパゾリーニの傑作ギリシャ悲劇
嫉妬に狂ったメディアを、前世紀最大のオペラ歌手、マリア・カラスが熱演する、ギリシャ悲劇の映画化である。 とにもかくにも、本職の俳優ではないカラスの鬼気迫る演技に圧倒されるばかりである。突き放したような演出と乾いた画面の織りなす独特の映像美に、日本の長唄がオーバーラップして、無国籍な呪術的世界が現出する。 ヨーロッパ映画のレベルの高さを象徴するような名作映画だ。
根源への回帰の拒否
優れた作品の必要十分条件は、作品のバックグラウンドなしでも作品を楽しむことができ、なおかつバックグラウンドを知れば知るほど多様な解釈が可能なものだろう。この作品も例外ではない。本作品はギリシア悲劇に題材を取る作品ではある。とはいえ、別段の知識なしに筋をフォローすることは可能である。要は、嫉妬に狂う王女の話。本作がなぜ問題作なのか、について少し。ギリシア悲劇といえば、西欧人の文化的アイデンティティの根源中の根源。いわば心の故郷。「啓かれし西欧文明」の祖先は当然のことながら「啓かれしギリシア文明」でなければならない。立ち還るべき祖先の文明がもし野蛮極まるものだったら?? 前半の舞台はトルコ、カッパドキア地方。この場所でロケをすること自体がスキャンダラスといえなくもない。ギリシア悲劇なのになぜ小アジアで?王女メディアを演ずるのはマリア・カラス。彼女の横顔のアップはギリシア彫刻的で壮絶なまでに美しい。ところがそんな彼女は野蛮きわまる祭祀を主宰していたりする。おまけにBGMは琵琶法師の謡やら地唄ときている!!!文化的な根源への回帰の不可能性。そんなことをこの映画から読み取れないこともない。問題作の問題たる所以である。
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